任意整理とスマホ分割|分割中の端末代は外す?入れる?4社の約款で確認

スマホの本体代をまだ分割で払っている途中なのに、借金が返せなくなって任意整理を考えている。あるいは、任意整理の返済中に機種変更の時期が来てしまった。この記事は、そういう「分割」と「任意整理」が同じ時期に重なった人のために書きました。

結論から書きます。ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの4社の約款は、どれも端末代の分割を通信料とは別の契約として扱い、払えなくなったときに残りを一括で払う義務が生じる条件を細かく決めています。分割中の端末代を任意整理に入れれば、その契約は約款どおり一括請求と信用情報の記録の対象になります。外した場合でも、支払いをクレジットカードで回していると、そのカードを整理した時点で端末代の引き落とし先がなくなります。そして整理の返済中に新しく分割を申し込むと、約款が挙げる「申込みを断る場合」と、信用情報の登録期間の両方が関わってきます。以下、約款の条文と信用情報機関の公式の表で確かめた範囲で、段階ごとに分けて書きます。

まず、自分がどの段階にいるかを分ける

「任意整理をするとスマホの分割はどうなるか」という質問は、実は三つの別の質問が混ざっています。今払っている分割をどうするか、整理の返済中に新しく分割を組めるか、返し終わったあといつから組めるか、です。見るべき書類も、効いてくる決まりも、段階ごとに違います。

段階 決めること・確かめること 主に関わる決まり
A:端末代の分割を払っている途中で、任意整理を始める 分割中の端末代を整理の対象に入れるか外すか。支払いに使っているカードや口座が整理の影響を受けないか 各社の割賦契約の約款(期限の利益の喪失)、割賦販売法第5条・第35条の3の17
B:任意整理の返済中に、新しく端末を分割で買いたい 機種変更や2台目の分割が、約款上どんなときに断られるか 各社の約款(申込みを承諾しない場合)、割賦販売法第35条の3の3(契約前に信用情報を使う義務)
C:任意整理の返済を終えたあと 信用情報の記録がいつまで残るか。JICCは借入れの契約日で数え方が変わる CIC・JICCの公式の登録期間

Bの「整理中に新しく買う」とCの「いつから」は、ほかの記事でも扱われることが多い話です。この記事では、上位の記事であまり詳しく書かれていないAの「分割中の端末代を入れるか外すか」に多めに字数を使い、BとCは携帯会社の約款と照らし合わせる部分に絞ります。ブラックの状態全般でスマホの分割審査がどう見られるか(10万円以下の端末の扱いや、回線契約と本体代の違い)は、ブラックでスマホの分割はできるかの記事にまとめています。

端末代の分割は「通信料と一緒に払う別の契約」になっている

任意整理に入れるか外すかを考える前に、端末代の分割がどんな契約なのかを押さえておく必要があります。毎月の請求書では通信料と一緒に並んでいますが、約款の上では別の契約です。

会社 端末代の分割の契約名と請求のされ方(公式の記載) 回線を解約したとき
ドコモ 個別信用購入あっせん契約/割賦販売契約。分割支払金は、契約日の翌々月の請求分から通信料金等と合わせて請求。支払いは口座振替かクレジットカードに限る 約款第8条:回線の契約が解除されても、原因を問わず支払いを続ける
au 個別信用購入あっせん契約。au/UQ mobileの通信サービスの契約者は、利用料金と併せて請求 書面に「通信サービスを解約などされた場合でも、全額完済するまで分割支払金のお支払いは必要」
ソフトバンク 個品割賦購入契約。請求額に満たない支払いは、支払期日の早いものから、同じ期日なら通信料金、次に賦払金(端末代)の順に充当 通信サービス契約を解約しても賦払金の支払義務は残る
楽天モバイル 割賦販売契約。分割の支払いはクレジットカードのみ(楽天カードは24回・48回、他社カードは24回) 約款第6条:他のサービスの契約が解除されても、原因を問わず債務の履行を続ける

ここで目を留めてほしいのは、ソフトバンクの充当の順番です。請求額の全部を払えなかったとき、払ったお金はまず通信料に回り、端末代は後回しになります。月々の支払いが苦しくて一部しか払えない月が続くと、回線は使えていても、端末代のほうに遅れが積み上がっていく形になります。遅れが61日以上か3か月以上になれば、CICでは「異動」として扱われます。

もう一つは、楽天モバイルの分割がクレジットカード払いしか選べない点です。端末代の分割そのものは楽天モバイルとの契約ですが、毎月のお金はカード会社を通って流れています。この形は、後で書く「外したつもりでも止まる」話につながります。

出典:NTTドコモ「機種を分割払いで購入する」(https://www.docomo.ne.jp/support/payment_installment/)、NTTドコモ「個別信用購入あっせん契約約款」第8条(https://www.docomo.ne.jp/binary/pdf/corporate/disclosure/agreement/d12.pdf)、KDDI「個別信用購入あっせん契約(分割払い)にあたって」2026年5月現在(https://www.au.com/content/dam/au-com/mobile/information/goriyo_besshi_oct.pdf)、ソフトバンクオンラインショップ「割賦購入契約について」(https://online-shop.mb.softbank.jp/ols/html/memo/pc/kohin_yakkan_fr.html)、楽天モバイル「割賦販売契約約款」第6条(https://network.mobile.rakuten.co.jp/terms/pdf/installment-sales-contract-agreement.pdf)、楽天モバイル よくあるご質問「製品を購入する際、デビットカードで分割払いはできますか?」(https://network.mobile.rakuten.co.jp/faq/detail/10000995/)、CIC用語集「異動」(https://www.cic.co.jp/glossary/gojuon-a/)。いずれも2026年11月8日確認。

分割中の端末代を任意整理に入れると、約款では何が起きるか

任意整理は、裁判所を通さずに、貸した側と返し方を話し合い直す手続きです。日本弁護士連合会の規程も、任意整理の事件を「弁済の額、方法等について裁判外で債権者と交渉をして処理する事件」と定めています。携帯会社の分割も、会社が代金を立て替えたり分割で売ったりしている以上、話し合いの相手にすることはできます。では、相手にした場合、約款にはどう書かれているか。4社の期限の利益(残りを期日まで払わなくてよい権利)の条項を並べました。

会社(条文) 何もしなくても当然に一括払いになる場合(抜粋) 会社の請求で一括払いになる場合(抜粋)
ドコモ(個別信用購入あっせん契約約款 第11条) 20日以上の期間を定めた書面の催告を受けても払わないとき/一般の支払いを停止したとき/破産・民事再生などの申立て 重大な約款違反/ドコモとの他の分割契約の期日を過ぎても払わないとき/5Gサービス等の料金を期日を過ぎても払わないとき/信用状態が著しく悪化したとき
au(個別信用購入あっせん契約約款 第10条) 同じく20日以上の書面催告を経ても払わないとき/一般の支払いを停止したとき/破産・民事再生などの申立て 重大な約款違反/信用状態が著しく悪化したとき
ソフトバンク(個品割賦購入約款 第6条) 同上 重大な約款違反/信用状態が著しく悪化したとき。第8条で、第6条に当たれば契約を解除できる
楽天モバイル(割賦販売契約約款 第7条) 同上 重大な約款違反/楽天モバイルとの他の分割契約で期限の利益を失ったとき/信用状態が著しく悪化したとき

任意整理を頼むと、依頼を受けた弁護士や司法書士から整理の相手に通知が届き、本人からの支払いは止まります。端末代を整理に入れれば、その会社への支払いが止まるので、少なくとも「書面の催告を受けても払わない」という一つ目の条件に進んでいきます。この20日以上の催告という手順は、割賦販売法が決めている最低限の手順と同じです。法は、個別信用購入あっせんについては第35条の3の17で、売り手が自分で分割を受ける割賦販売については第5条で、20日以上の期間を定めた書面の催告を経なければ、遅れを理由に契約を解除したり残りの全額を請求したりできないとし、これに反する特約を無効としています。

一括払いの状態になったあと、残りをどう払うかを決め直すのが和解です。ここで、携帯の端末代ならではの事情が一つあります。ドコモは公式ページで分割の手数料を無料と書いています。任意整理の話し合いで減らす対象になりやすいのは、これから先の利息や遅延損害金です。日本司法書士会連合会が2004年の総会で決議した任意整理の統一基準も、和解案に「遅延損害金、並びに将来利息は付けない」ことを挙げています。もともと手数料がかからない分割なら、削れる利息がありません。端末代を整理に入れても、払う元の額はほとんど変わらず、変わるのは払う回数と時期だけ、という結果になりえます。

そのうえで、記録は残ります。4社とも、分割の契約内容と支払状況をCICに登録すると書いています。ソフトバンクはJICC(日本信用情報機構)にも加入していて、契約内容や「客観的な取引事実」を登録すると明記しています。JICCの公式の表では、登録する取引事実の中身として「債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡等」が挙がっています。CICは、債務整理を頼んだという事実そのものはコメントとして登録しないと答えていますが、支払いが止まって遅れが長引けば、その契約に異動が付きます。

出典:日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」第2条(https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/kaiki/kaiki_no_093.pdf)、NTTドコモ「個別信用購入あっせん契約約款」第11条(https://www.docomo.ne.jp/binary/pdf/corporate/disclosure/agreement/d12.pdf)、KDDI「個別信用購入あっせん契約(分割払い)にあたって」第10条(https://www.au.com/content/dam/au-com/mobile/information/goriyo_besshi_oct.pdf)、ソフトバンクオンラインショップ「割賦購入契約について」個品割賦購入約款 第6条・第8条(https://online-shop.mb.softbank.jp/ols/html/memo/pc/kohin_yakkan_fr.html)、楽天モバイル「割賦販売契約約款」第7条(https://network.mobile.rakuten.co.jp/terms/pdf/installment-sales-contract-agreement.pdf)、割賦販売法第5条・第35条の3の17(https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000159)、日本司法書士会連合会「『司法書士による任意整理の統一基準』を求める決議」2004年6月25日(https://www.shiho-shoshi.or.jp/association/release/resolution_list/1241/)、ソフトバンク「割賦販売・個別信用購入あっせん等における個人情報の取り扱いについて」(https://www.softbank.jp/corp/privacy/installment/)、JICC「信用情報の内容と登録期間」(https://www.jicc.co.jp/aboutus/credit-info/registration)、CIC よくあるご質問(https://www.cic.co.jp/faq/detail/cre/cre01/002586.html)。いずれも2026年11月8日確認。

端末代を外しても、分割が止まりうる道は三つある

「スマホは仕事でも使うので、端末代は整理から外して今までどおり払いたい」と考える人は多いはずです。任意整理は相手を選んで話し合う手続きなので、外すという選択そのものはありえます。ただ、約款と支払いの仕組みを読むと、外しても分割が止まりうる道が三つ見えてきます。

1. 支払いに使っているクレジットカードを整理した

楽天モバイルの分割はクレジットカード払いだけで、ドコモも口座振替かクレジットカードに限っています。端末代を外しても、毎月の引き落とし先のカードを整理の対象にすれば、カードは使えなくなり、端末代の引き落としもできなくなります。そのまま放っておけば、携帯会社から見れば「端末代の遅れ」です。外すつもりなら、整理を頼む前に、引き落とし先を口座振替など整理と関係のない方法に切り替えられるかを、契約している会社で確かめておく必要があります。楽天モバイルの分割は、確かめた公式のよくある質問ではクレジットカードしか選べないと書かれているため、別のカードがない場合にどう扱われるかは楽天モバイルに直接聞くしかありません。

2. 同じ会社の通信料や、別の分割を払えなくなった

ドコモの約款は、ほかの分割契約の期日を過ぎても払わないときや、5Gサービス等の料金を期日を過ぎても払わないときを、会社の請求で一括払いになる場合として挙げています。楽天モバイルの約款も、楽天モバイルとの別の分割契約で期限の利益を失えば、請求で一括払いになるとしています。端末代だけを守っても、同じ会社への通信料や2台目の端末代を整理に入れたり遅らせたりすれば、守ったはずの分割にも波及しうる、という書き方です。

3. 約款の「一般の支払いを停止したとき」「信用状態が著しく悪化したとき」

4社の約款はどれも、「一般の支払いを停止したとき」を、何もしなくても一括払いになる場合に入れています。また「信用状態が著しく悪化したとき」を、会社の請求で一括払いになる場合に入れています。ほかの借金だけを任意整理したことが、携帯会社から見てこれに当たると判断されるかどうかは、確かめた4社の公式の書面には書かれていません(未確認です)。整理の相手ではない会社には弁護士や司法書士からの通知は届かないので、携帯会社がそれを知るのは、主に信用情報を見たときです。

三つ目の「いつ見られるか」について、法律が携帯会社に記録を見ることを義務づけているのは、分割の契約を結ぶ前です。割賦販売法第35条の3の3は、個別信用購入あっせんの契約を結ぶ前に、年収や支払状況などを調べ、その際に指定信用情報機関の情報を使うことを求めています。クレジットカードのように「更新のたび」「3か月ごと」に見直す決まりは、端末代の個別の分割にはこの条文の中にはありません。言い換えると、外した分割を約款どおりに払い続けている限り、次に記録を見られる大きな機会は、新しい分割を申し込むときです。

一方で、司法書士の団体の決議は、任意整理ではすべての債権者から取引の経過の開示を受け、公平で平等な処理をはかるべきだとしています。どの借金を外すかは、本人の希望だけで決まる話ではありません。端末代を外したいなら、その理由(仕事で使う、手数料がなく減る額がない、残りが少ない、など)を、最初の相談の段階で依頼先に伝えて、扱いを決めてもらうのが筋です。手元にお金があって分割の残りを一括で払い終えたい場合も、auは書面で残額を一括で払って終わらせることができると書いていますが、整理の直前に特定の相手にだけ払うことの扱いも含めて、依頼先と相談してから動いてください。

出典:NTTドコモ「個別信用購入あっせん契約約款」第11条(https://www.docomo.ne.jp/binary/pdf/corporate/disclosure/agreement/d12.pdf)、楽天モバイル「割賦販売契約約款」第7条(https://network.mobile.rakuten.co.jp/terms/pdf/installment-sales-contract-agreement.pdf)、KDDI「個別信用購入あっせん契約(分割払い)にあたって」(https://www.au.com/content/dam/au-com/mobile/information/goriyo_besshi_oct.pdf)、割賦販売法第35条の3の3(https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000159)、日本司法書士会連合会 総会決議(https://www.shiho-shoshi.or.jp/association/release/resolution_list/1241/)。いずれも2026年11月8日確認。

入れる・外すを、約款の上で並べてみる

ここまでの話を、分割中の端末代について一枚にまとめます。どちらが得かは人によって違うので、ここでは約款と信用情報の上で何が起きるかだけを並べます。

見るところ 端末代を整理に入れる 端末代を外して払い続ける
その分割契約の約款 支払いが止まり、20日以上の書面催告を経て残りを一括で払う義務が生じうる。その後の払い方は和解で決め直す 約款どおり払う限り、遅れを理由とする一括請求はない。「一般の支払いの停止」「信用状態の著しい悪化」の扱いは公式に書かれていない
減る額 手数料無料の分割(ドコモは公式に無料と記載)なら、削れる将来利息がもともとない 変わらない
その携帯会社が登録する信用情報 遅れが長引けばCICに異動。ソフトバンクはJICCにも登録すると明記 支払いが続いていれば、その契約自体には遅れの記録は付かない
ほかの会社の整理の記録 どちらでも残る。携帯会社が次に分割を申し込まれたときに見る
引き落とし先 — 整理するカードで払っていれば、切り替えないと引き落とせなくなる

「端末代を外せば、携帯会社には何も起きない」とは言い切れません。外したつもりでも、支払いに使っているカードや、同じ会社の通信料・2台目の分割を通じて、約款の一括払いの条件に近づくことがあります。外すなら、引き落とし先と、同じ会社へのほかの支払いをあわせて確かめてください。

任意整理の返済中に、機種変更や2台目を分割で買えるか

「分割中」と一緒によく検索されるのが、今の端末の分割が残ったまま機種変更したい、という場面です。ドコモの公式ページは、分割の期間中でも機種変更ができると書き、分割の契約数は1回線あたり合計4契約(端末は2契約、付属品のみは2契約)までとしています。ただし、新しい分割を申し込めば、それは新しい契約の申込みで、契約前の信用情報の確認が改めて行われます。

各社の約款が「申込みを承諾しない場合」として何を挙げているかを並べると、任意整理中の人に関係しそうな項目が見えてきます。

会社(条文) 申込みを断ることがある場合(任意整理中の人に関係しそうなもの)
ドコモ(個別信用購入あっせん契約約款 第4条第3項) 分割支払金の支払いを現に怠り、または怠るおそれがあるとき/分割契約の数が会社の定める基準を超えたとき/5Gサービス等の料金の支払いを現に怠り、または怠るおそれがあるとき/分割契約を結んだ日から会社の定める期間内に新しく申し込むとき/その他会社が不適当と判断したとき
楽天モバイル(割賦販売契約約款 第2条第2項) 割賦金の支払いを現に怠り、または怠るおそれがある場合/分割契約の総数が基準を超えている場合/楽天モバイルのほかのサービスの料金の支払いを現に怠り、または怠るおそれがある場合/楽天グループの会社が提供するサービスの約款に違反したことがある場合

どちらにも「怠るおそれがある」という言い方が入っています。会社がそのおそれをどう判断するかの中身は公開されていませんが、判断の材料として法律が使うよう求めているのが信用情報です。任意整理の返済中は、整理した借入れの記録がCICやJICCに残っている時期にあたるため、新しい分割の申込みは、この「おそれ」の判断の場にそのまま出ていくことになります。

楽天モバイルの約款の「楽天グループの会社が提供するサービスの約款に違反したことがある場合」は、楽天カードや楽天銀行などを整理の対象にした人が気にする一文だと思います。整理のために支払いを止めたことが、楽天モバイルから見てこの「違反」に当たるかどうかは、約款にも公式のよくある質問にも書かれていませんでした(未確認です)。楽天グループの借入れを整理した人が楽天モバイルで分割を申し込む場合は、この条項があることを知ったうえで判断してください。

分割で買えない間の選択肢は、端末代を一括で払うか、今の端末を使い続けて回線だけ契約を続けるかです。一括払いは3回以上の分割にあたらないので、割賦販売法の分割の契約にはなりません。

出典:NTTドコモ「機種を分割払いで購入する」(https://www.docomo.ne.jp/support/payment_installment/)、NTTドコモ「個別信用購入あっせん契約約款」第4条(https://www.docomo.ne.jp/binary/pdf/corporate/disclosure/agreement/d12.pdf)、楽天モバイル「割賦販売契約約款」第2条(https://network.mobile.rakuten.co.jp/terms/pdf/installment-sales-contract-agreement.pdf)、割賦販売法第2条第1項・第35条の3の3(https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000159)。いずれも2026年11月8日確認。

JICCは「整理した借入れの契約日」で数え方が変わる

返済中や返済後に分割を申し込むとき、どの記録がいつまで残るかを左右するのは、携帯会社の契約ではなく、整理した借入れのほうの記録です。ここで見落としやすいのが、JICCの登録期間が借入れの契約日で二つに分かれていることです。

JICCの情報 契約日が2019年9月30日以前 契約日が2019年10月1日以降
契約内容に関する情報 契約継続中及び完済日から5年を超えない期間 契約継続中及び契約終了後5年以内
返済状況に関する情報(延滞など) 契約継続中及び完済日から5年を超えない期間(延滞情報は延滞継続中、延滞解消の事実は発生日から1年を超えない期間) 契約継続中及び契約終了後5年以内
取引事実に関する情報(債務整理など) 当該事実の発生日から5年を超えない期間 契約継続中及び契約終了後5年以内

2019年10月1日以降に結んだ借入れを任意整理した場合、債務整理の記録は「契約継続中」も残ります。つまり和解した返済を続けている間はずっと記録があり、払い終えて契約が終わってから5年を数えます。2019年9月30日以前の借入れなら、債務整理の記録は整理の事実が生じた日から5年です。同じ時期に整理しても、借入れの契約日によって記録の残り方が違うということです。

携帯会社との関係で言えば、ソフトバンクはJICCに照会すると明記しています(Y!mobileの商材の一部などは照会しないとも書いています)。ドコモ・au・楽天モバイルはJICCを提携先として挙げています。CICの説明では、CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターの3機関は「CRIN」という仕組みで延滞に関する情報などを交流しています。

実際の年数を、端末の買い替えの周期と並べてみます。2026年11月に、2019年10月以降に契約した借入れを任意整理し、和解した返済を始めたとします。

和解した返済の回数 払い終える月 JICC・CICの記録が消える目安(契約終了から5年) その間の年数 24回払いの端末に置き換えると
36回 2029年11月 2034年11月ごろ 約8年 約4台分
60回 2031年11月 2036年11月ごろ 約10年 約5台分

同じ例で借入れの契約日が2019年9月30日以前なら、JICCの債務整理の記録は2031年11月ごろまでです。ただしCICの記録は、返済状況を含めて契約終了から5年なので、表と同じ時期まで残ります。CICの「契約終了」の日付は、払い終えた月そのものではなく、会社が終了として登録した日です。自分の記録で数えるには開示を使います。開示の方法と報告書の読み方は任意整理中・自己破産後はいつから借りられるかの記事に、和解の回数ごとの月額は任意整理は何年で返すかの記事に書いています。

表の「24回払いの端末に置き換えると」の列は、記録が残る期間に、ふつうの分割の周期で何回買い替えの時期が来るかを見たものです。記録の期間は、端末の分割より長く続きます。今の端末の分割をどうするか(A)は、この何年かを一括払いや今の端末で乗り切る前提で考えることになります。

出典:JICC「信用情報の内容と登録期間」(https://www.jicc.co.jp/aboutus/credit-info/registration)、CIC「CICが保有する信用情報」(https://www.cic.co.jp/confidence/posession.html)、CIC「信用情報の交流」(https://www.cic.co.jp/confidence/exchange/)、ソフトバンク「割賦販売・個別信用購入あっせん等における個人情報の取り扱いについて」(https://www.softbank.jp/corp/privacy/installment/)、楽天モバイル「割賦販売・個別信用購入あっせん等における個人情報の取扱いについて」(https://corp.mobile.rakuten.co.jp/guide/privacy/installment/)。いずれも2026年11月8日確認。

整理を頼む前に、スマホについて確かめておくこと

まだ依頼前なら、スマホに関することは次の順に書き出しておくと、依頼先との話が早く進みます。

依頼前に手元で確かめること

  • 端末代の分割の残り回数と残額。請求書や会員ページで、通信料と端末代が分かれて書かれている部分を見る
  • その分割の契約名(個別信用購入あっせん契約か、割賦販売契約か)と、契約している会社。家電量販店のショッピングローンやカードの分割で買った端末なら、相手は携帯会社ではなくその信販会社やカード会社
  • 携帯料金の引き落とし先。整理の対象にするカードで払っていないか
  • 同じ携帯会社で、2台目の端末や付属品の分割、タブレットなどの別回線がないか
  • 整理したい借入れの契約日。2019年9月30日以前か10月1日以降かで、JICCの数え方が変わる

二つ目の項目は見落とされがちです。携帯会社の店で買っても、量販店のショッピングローンで払っていれば、相手は信販会社です。その場合、約款は携帯会社のものではなく信販会社の規約になり、整理の扱いもその会社との話になります。カードの分割で端末を買った場合は、カード会社への債務の一部です。カードを整理すれば、端末代もその中に入ります。カードを整理した場合の扱いは任意整理とクレジットカードの記事で、規約の条文ごとに書いています。

よく検索される質問

分割中に任意整理をしたら、スマホ本体を返さないといけませんか?

確かめた約款では、端末の所有権は引き渡しのときに買った人へ移ると書かれています。ドコモの約款第6条は「現実の引渡しが完了したとき」、楽天モバイルの約款第4条も「現実の引渡しが完了した時」に所有権が移るとしています。残りの代金を払う義務は残りますが、約款の上では端末は本人のものです。

任意整理の返済中に「分割できた」という書き込みがあるのはなぜですか?

各社とも審査の基準を公開しておらず、約款には「その他当社が不適当と判断したとき」のような会社の判断の余地が書かれています。書き込みの人の整理した借入れの契約日、端末の金額、どの会社に申し込んだかは、たいてい書かれていません。とくにJICCは契約日によって記録の残り方が違うため、同じ「整理中」でも見えているものが人によって違いえます。読み方の注意はブラックでスマホの分割はできるかの記事にも書いています。

端末代を整理から外せば、携帯会社に任意整理のことは伝わりませんか?

整理の相手でない会社には、弁護士や司法書士からの通知は届きません。ただ、ほかの借入れの記録はCICやJICCに残るので、新しい分割を申し込んだときにその記録を見られます。また、約款の「一般の支払いを停止したとき」「信用状態が著しく悪化したとき」が、ほかの借金だけの整理に当てはめられるかは、公式には書かれていません。

任意整理中でも、一括払いならスマホを買えますか?

一括払いは割賦販売法の分割の契約にあたらないので、分割の契約前に信用情報を使う法律上の決まりの外の取引です。回線の契約は別の審査で、携帯会社どうしの不払者情報の交換などが使われます。回線の審査についてはブラックでスマホの分割はできるかの記事で書いています。

ドコモで分割中ですが、任意整理の返済中に機種変更の分割を申し込んでもいいですか?

申し込むこと自体はできますが、ドコモの約款は、分割支払金や料金の支払いを「怠るおそれがあるとき」や、分割を結んだ日から会社の定める期間内の新しい申込みを、承諾しないことがある場合に挙げています。申込みをすれば、CICには照会の記録が6か月残ります。整理した借入れの記録がいつまで残るかを開示で確かめてから、時期を決めるほうが無駄な申込みになりません。

分割中の端末代は、通信料と一緒に請求されていても別の契約で、払えなくなったときの流れは4社とも約款に細かく書かれています。入れれば約款どおりの一括請求と記録の対象になり、手数料無料の分割なら減る額はほとんどありません。外すなら、引き落とし先のカードと同じ会社へのほかの支払いが整理の影響を受けないように手当てしておくことが、分割を守るための条件になります。どちらにするかは、残りの回数と額、引き落とし先、整理したい借入れの契約日を書き出したうえで、依頼先と決めてください。新しい分割は、整理した借入れの記録が消える時期を開示で確かめてからにするのが確実です。