任意整理の返済がまだ続いている。あるいは、自己破産からしばらく経った。「もう一度、普通の消費者金融で借りられるのはいつなのか」を知りたい人のための記事です。
答えを左右するのは、お金を貸す会社が審査で見る「信用情報」に、債務整理の記録がいつまで残るかです。日本には信用情報機関が3つあり、それぞれが公式サイトで登録期間を公表しています。この記事では、2026年11月7日に3社の公式ページで確かめた書き方をそのまま並べ、今日の日付から数えて、どの記録がいつ消えるのかを、手続きごとに時間の順で示します。
先に一つだけ書いておきます。「債務整理中でもOK」「破産後でもすぐ借りられる」と広告する相手は、この記録を見ずに貸す、つまり登録のない業者です。待つべき期間がどれくらいかを知ることが、そうした相手に近づかないためのいちばんの準備になります。
3つの信用情報機関が公表している登録期間
消費者金融やクレジットカード会社は、主にCIC、JICC(日本信用情報機構)、全国銀行個人信用情報センター(全国銀行協会が運営)の3つの機関に加盟し、申込みのたびに記録を照会します。3社の公式ページの書き方を、そのまま表にしました。
| 機関 | 記録の種類(公式の表記) | 登録期間(公式の表記) |
|---|---|---|
| CIC | クレジット情報 | 契約期間中および契約終了から5年間 |
| CIC | 申込情報 | 照会日より6か月間 |
| JICC | 債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡等 | 当該事実の発生日から5年以内(債権譲渡の事実は1年以内) |
| 全国銀行個人信用情報センター | ローンやクレジットカード等の契約内容とその返済状況(延滞・代位弁済・強制回収手続等の事実を含む) | 契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間 |
| 全国銀行個人信用情報センター | 官報情報(官報に公告された破産・民事再生手続開始決定) | 当該決定日から7年を超えない期間 |
| 全国銀行個人信用情報センター | 照会記録情報(申込み・契約の内容等) | 本人開示の対象は1年を超えない期間、会員への提供は6か月を超えない期間 |
出典:CIC「信用情報は、どのくらいの期間CICに登録されていますか?」、JICC「信用情報の内容と登録期間」(契約日2019年10月1日以降の表)、全国銀行協会「センターの概要」。いずれも2026年11月7日確認。
表から分かることは三つです。
一つ目は、どの機関も「5年」が基本だということです。ただし、何から数えて5年かが違います。JICCの債務整理の記録は「事実の発生日から」、CICと全国銀行個人信用情報センターの返済状況は「契約終了(完済)から」です。
二つ目は、破産と民事再生だけは「7年」の記録が別にあることです。全国銀行個人信用情報センターは、官報に載った破産・民事再生の開始決定を、決定日から7年を超えない期間持っています。全国銀行協会は2022年11月4日のお知らせで、この期間を10年から7年に短縮したと公表しています。インターネットに「破産は10年」と書かれた古い情報が残っているのはこのためです。
三つ目は、申込みの記録は6か月残ることです。短い間にいくつもの会社に申し込むと、その記録が並びます。
JICCの公式ページは、登録期間の表を「契約日2019年10月1日以降」と「2019年9月30日以前」に分けて載せています。債務整理などの記録は、どちらの表でも「当該事実の発生日から5年」で同じです。違うのは延滞の記録の書き方で、2019年10月1日以降の契約では、延滞は「延滞継続中」のあいだずっと残り、延滞が解消した事実は「当該事実の発生日から1年以内」と書かれています。延滞は、払わないかぎり何年たっても消えないということです。債務整理の前に長い延滞があった人は、その延滞がいつ解消した扱いになっているかも、開示で確かめる必要があります。
2022年11月4日の全国銀行協会のお知らせは、官報情報の期間を7年に縮めただけではありませんでした。同じお知らせで、手形や小切手の「不渡情報」の登録を終えたことも伝えています。開示の報告書では、不渡情報の欄が「0/0」(登録情報なし)と表示されるようになった、と書かれています。信用情報の決まりは、こうして少しずつ変わります。何年で消えるかは、ネットの記事より、各機関の今の公式ページで確かめるのが確実です。
時間の順に読む1:任意整理をした場合
任意整理は、借りた会社と話し合って、利息のカットや分割の組み直しをする手続きです。和解したあとも、決めた回数の返済が続きます。公式の書き方に当てはめると、記録が消える時期は次のように決まります。
| 時点 | 起きること | 記録への影響(公式の書き方に当てはめた目安) |
|---|---|---|
| 任意整理の手続きをした時 | 債務整理の事実が生じる | JICC:この発生日から5年以内の記録になる |
| 和解後の返済中 | 分割での返済が続く | CIC・全国銀行個人信用情報センター:契約はまだ終わっていないので、返済状況の記録は残り続ける |
| 和解した返済を払い終えた時 | 契約が終わる(完済) | CIC・全国銀行個人信用情報センター:ここから5年の数え始め |
| 完済から5年後 | ― | CIC・全国銀行個人信用情報センターの返済状況の記録が消える目安 |
たとえば、2026年11月に任意整理をして、3年かけて2029年11月に払い終えたとします。JICCの債務整理の記録は、発生日から5年の2031年11月ごろまで。CICと全国銀行個人信用情報センターの返済状況の記録は、完済から5年の2034年11月ごろまで残る計算です。返済に時間がかかるほど、記録が消える時期も後ろへずれます。
返済中は、どの機関でも記録が消えない期間の真ん中にいます。正規の会社に申し込んでも、審査では債務整理の記録と、返済が続いている事実の両方が見えます。さらに、申し込んだこと自体が申込みの記録として6か月残ります。通らない申込みを重ねるほど、記録が増えていくことになります。
もう一つ、借金の整理を頼んだ専門家や、和解した相手との約束にも目を通してください。和解の書面には、新たな借入れや返済の遅れについての取り決めが書かれていることがあります。手元の書面と、手続きを頼んだ事務所の説明が、何よりも優先します。
任意整理の返済は、3年(36回)で組むことが多いものの、借りた額によっては5年(60回)になることもあります。2026年11月に任意整理をした場合で、二つを並べます。
| 返済の長さ | 払い終える月 | JICCの債務整理の記録 | CIC・全国銀行個人信用情報センターの返済状況 |
|---|---|---|---|
| 3年 | 2029年11月 | 2031年11月ごろまで | 2034年11月ごろまで |
| 5年 | 2031年11月 | 2031年11月ごろまで | 2036年11月ごろまで |
JICCの記録は手続きをした時から数えるので、返済の長さに関係なく同じ時期に消えます。一方、CICと全国銀行個人信用情報センターは払い終えた時から数えるので、返済が2年長ければ、消える時期も2年遅れます。最後まで残るのは、払い終えた日から数える記録です。途中で返済が滞って払い終える日が延びれば、その分だけさらに後ろへずれます。
時間の順に読む2:自己破産をした場合
自己破産では、裁判所の手続きの中で、官報に破産手続開始の決定が載ります。ここで、任意整理にはない「官報情報」の7年が加わります。
| 時点 | 記録への影響(公式の書き方に当てはめた目安) |
|---|---|
| 破産の申立てをした時 | JICC:破産申立の事実として、発生日から5年以内の記録になる |
| 破産手続開始の決定が出た時 | 全国銀行個人信用情報センター:官報情報として、決定日から7年を超えない期間の記録になる |
| 借りていた会社との契約の扱いが決まった時 | CIC・全国銀行個人信用情報センター:返済状況の記録は、契約終了から5年の数え始め |
| 決定日から7年後 | 全国銀行個人信用情報センターの官報情報が消える目安 |
2026年11月に破産手続開始の決定が出たとすると、全国銀行個人信用情報センターの官報情報は2033年11月ごろまでです。消費者金融が主に使うのはCICとJICCですが、銀行のカードローンや、銀行が保証に関わるローンでは、全国銀行個人信用情報センターの記録も見られます。「消費者金融なら5年、銀行なら7年」が大まかな目安になるのは、このためです。
同じ2026年11月の例で、JICCの破産申立の記録は、申立ての日から5年の2031年11月ごろまでです。CICの記録は、借りていた会社との契約が終わった扱いになった日から5年なので、その日付は開示で確かめるしかありません。つまり破産の場合、2031年ごろに消費者金融系の記録が、2033年ごろに銀行系の記録が消えるという二段階になります。2031年を過ぎたからといって銀行のカードローンに申し込むと、官報情報がまだ残っている、ということが起こりえます。
時間の順に読む3:個人再生をした場合
個人再生(民事再生)は、裁判所の手続きで借金を減らし、残りを原則3年ほどで返す手続きです。官報に再生手続開始の決定が載るので、全国銀行個人信用情報センターの官報情報(決定日から7年)が付きます。そのうえで、減らした借金を払い終えるまでは契約が続くため、CICと全国銀行個人信用情報センターの返済状況の記録は、完済から5年の数え始めになります。
2026年11月に開始決定が出て、2029年11月に払い終えた場合、官報情報は2033年11月ごろまで、返済状況の記録は2034年11月ごろまでです。手続きの種類より、払い終える時期のほうが、最後の記録が消える時期を決めることが分かります。
3つの手続きを一枚にまとめる
| 手続き | JICC | CIC | 全国銀行個人信用情報センター | 最後の記録が消える目安 |
|---|---|---|---|---|
| 任意整理 | 発生日から5年以内 | 完済(契約終了)から5年 | 完済から5年 | 払い終えてから5年 |
| 自己破産 | 申立ての発生日から5年以内 | 契約終了から5年 | 返済状況は契約終了から5年・官報情報は決定日から7年 | 銀行系は決定から7年 |
| 個人再生 | 発生日から5年以内 | 完済から5年 | 返済状況は完済から5年・官報情報は決定日から7年 | 払い終えてから5年か、決定から7年の遅いほう |
各機関の公式の登録期間に、手続きの流れを当てはめた目安。実際にどの記録がいつ登録されたかは、本人が各機関に開示を申し込めば確かめられる。
「記録が消えた」を、自分で確かめる方法
目安の日付が来ても、本当に消えたかは、記録そのものを見ないと分かりません。3つの機関は、どこも本人からの開示の申込みを受け付けています。CICの公式サイトには「情報開示を申し込む」の入口があり、郵送での開示の案内も載っています。申込みの方法と手数料は、機関ごとに公式サイトで確かめてください。
開示で見るところ
1. 債務整理をした会社の行が、まだ残っているか。
2. 残っていれば、「契約終了」や「完済」の日付がいつになっているか。そこから5年を数えます。
3. 全国銀行個人信用情報センターでは、官報情報の欄があるか。あれば、決定日から7年を数えます。
4. 申込みの記録が何件あるか。6か月以内に何社も並んでいれば、しばらく申込みを止めます。
記録を自分で確かめてから申し込めば、「通るかどうか分からないまま申し込んで、落ちて、記録だけが増える」という流れを避けられます。
申込みの記録は「本人には1年、会社には6か月」
全国銀行個人信用情報センターの公式の表には、申込みの記録(照会記録情報)について、少し変わった書き方があります。「本人開示の対象は1年を超えない期間、会員への提供は6か月を超えない期間」。つまり、自分で開示すると1年前までの申込みが見えるのに、お金を貸す会社に伝わるのは6か月前までです。CICの申込情報も「照会日より6か月間」です。
このことから、申込みの間隔について一つの目安が出てきます。
| 状況 | 記録の上で起きること |
|---|---|
| 1か月のうちに3社へ申し込み、全部落ちた | その後の6か月、次に申し込んだ会社には「短い間に3件の申込み」が見える |
| 落ちたあと6か月あけて1社に申し込む | 前の申込みは会社に伝わる期間を過ぎている |
| 自分で開示した | 1年前までの申込みが見えるが、会社に伝わるのは6か月前まで |
開示で申込みの記録が多く見えても、それがすべて審査で見られているとは限りません。逆に、焦って申込みを重ねると、次の6か月はその記録を背負うことになります。落ちたら、次の申込みまで6か月を目安にあける。記録の決まりから言えるのは、ここまでです。
記録が消えたあと、最初の申込みで気をつけること
目安の日が過ぎ、開示で記録が消えたことを確かめたら、ようやく正規の会社に申し込める状態になります。ただ、記録が消えるということは、良い記録も含めて「何もない」状態になるということでもあります。長くカードやローンを使っていない人は、記録がまっさらに見えます。
最初の申込みは、借りる額をできるだけ小さくし、1社にしぼるのが記録の上では無理のないやり方です。通ったら、遅れずに返すことが、そのまま新しい良い記録になります。債務整理の記録が消えた日は、次の5年の記録を作り始める日でもあります。
どの会社が正規の登録業者かは、金融庁の登録貸金業者の検索で、会社名や登録番号から確かめられます。「債務整理中でもOK」とうたう相手の名前を検索しても出てこないのは、そこに登録がないからです。
待つ期間に、近づいてはいけない相手
記録が残っている期間、正規の会社の審査は通りにくくなります。その期間を狙って、「債務整理中でもOK」「破産後でも即日」と広告する相手が現れます。
正規の貸金業者は、法律で、貸す前に返す力を調べることになっています。信用情報を見ずに「誰でもOK」と言えるのは、登録のない業者だけです。そうした相手の利息は、受け取った額に対して1週間や10日で数割から10割にもなります。債務整理で減らした返済の上に、さらに重い返済を重ねることになります。
待つ期間にできることは、記録を増やさないこと(延滞しない・申込みを重ねない)と、払い終える日を確実に迎えることです。任意整理や個人再生では、完済の日が、5年の数え始めの日です。返済を一度も遅らせずに払い終えることが、いちばんの近道になります。
よく見かける三つの思い違い
全国銀行個人信用情報センターの官報情報は、2022年11月4日から「決定日から7年を超えない期間」です。10年は、それより前の決まりです。消費者金融が主に見るCICとJICCでは、10年という期間はもともと書かれていません。
JICCの公式の表は、登録する事実として「債務整理」をはっきり挙げています。裁判所を通すかどうかに関係なく、記録の対象です。
CICは「契約期間中および契約終了から5年間」、全国銀行個人信用情報センターは「完済日から5年を超えない期間」と書いています。払い終えた日は、消える日ではなく、5年を数え始める日です。
今日やること
1. 自分の手続きが任意整理・自己破産・個人再生のどれかを確かめ、手元の書面で、手続きをした日・決定の日・払い終える予定の日を書き出す。日付が分からなければ、手続きを頼んだ事務所に聞く。
2. 上の表に当てはめて、各機関の記録が消える目安の年月を、手帳やスマホの予定に書き込む。
3. 目安が近づいたら、3つの機関に開示を申し込み、記録が本当に消えたかを確かめる。消えていなければ、契約終了や完済の日付を見直す。
4. それまでは申込みを重ねない。「債務整理中でもOK」の広告には近づかない。落ちた場合は、次の申込みまで6か月を目安にあける。
5. 払い方や頼る先に迷ったら、手続きを頼んだ事務所に、まず相談する。
この記事で確かめたこと
信用情報機関3社の公式の登録期間は、CICのクレジット情報が「契約期間中および契約終了から5年間」、JICCの債務整理などの記録が「当該事実の発生日から5年以内」、全国銀行個人信用情報センターの返済状況が「契約終了日(完済日)から5年を超えない期間」、官報に載った破産・民事再生が「決定日から7年を超えない期間」でした。7年は、2022年11月4日に10年から短くなったものです。
任意整理や個人再生では、払い終えた日から5年を数えるので、返済が長いほど記録は遅くまで残ります。破産と個人再生では、銀行系の記録に決定日から7年の官報情報が加わります。目安の日が来たら、開示で自分の記録を確かめてから申し込むのが確実です。
確かめた日:2026年11月7日。確かめたもの:CIC「よくあるご質問(信用情報は、どのくらいの期間CICに登録されていますか?)」、JICC「信用情報の内容と登録期間」、全国銀行協会「全国銀行個人信用情報センター センターの概要」「一部情報の登録終了および登録期間の短縮について」(2022年11月4日)。