債務整理と住宅ローン|返済中の家はどうなる?組めるのはいつかを公式で確認

「債務整理 住宅ローン」で調べている人は、だいたい二つのどちらかにいます。いま住宅ローンを払っている家があって、ほかの借金を整理したら家がどうなるのかが怖い人。もう一つは、整理を終えた(または進めている)けれど、いつか家を買うときに住宅ローンが組めるのかを知りたい人です。この記事は、その二つを分けて答えます。

返済中の人への答え:任意整理は裁判所を通さない話合いなので、住宅ローンの貸し手を話合いの相手に入れなければ、住宅ローンの契約はそのまま続きます。個人再生は「住宅資金特別条項」を付ければ家を残す道が法律に用意されていますが、住宅ローンそのものは減りません。自己破産では、家は原則として処分の対象になり、住宅ローンの抵当権を持つ貸し手は破産の手続きの外で家を売ることができます(破産法65条)。

これから組みたい人への答え:銀行の住宅ローンもフラット35も、審査では信用情報機関の記録が見られます。全国銀行個人信用情報センターは破産手続開始決定等の官報情報を7年を超えない期間持ち、CICとJICCは原則として契約が終わってから5年を数えます。つまり「何年たったか」ではなく「自分のどの記録が、どの機関に、いつまで残るか」で申込みの時期が決まります。以下、条文と各機関・金融機関の公式の記載で確かめた範囲で書きます。

まず、自分がどちらの「債務整理と住宅ローン」なのかを分ける

検索候補には「組める」「返済中」「どうなる」「通った」「審査」が並びます。このうち「返済中」「どうなる」は家を持っている人の不安で、「組める」「通った」「審査」はこれから借りる人の疑問です。両方に当てはまる人もいます。たとえば、住宅ローンを払いながらカードローンを任意整理し、数年後に住み替えや借り換えを考える人です。

両者で見るべきものがまったく違います。返済中の人が見るのは「法律がその手続きで家をどう扱うか」で、ここでは民事再生法と破産法の条文が答えになります。これから組む人が見るのは「貸す側に何が見えているか」で、こちらは信用情報機関の登録期間と、住宅ローンの申込み条件が答えになります。

いまの状況 答えを決めるもの この記事の該当箇所
住宅ローン返済中で、ほかの借金を任意整理したい 任意整理の性質(裁判所を通さない話合い)と住宅ローンの契約書 任意整理の章
住宅ローン返済中で、個人再生を考えている 民事再生法196条〜206条(住宅資金特別条項) 個人再生の章
住宅ローン返済中で、自己破産しかない 破産法34条・65条・78条 自己破産の章
整理が終わり、これから住宅ローンを組みたい 全銀協・CIC・JICCの登録期間、フラット35と銀行の申込み条件 後半の章

住宅ローン返済中に任意整理:外せるのは「話合いの相手を選べる」から

法テラスは任意整理を「裁判所などの公的機関を利用せず、当事者が私的に話合いをして、支払額や支払方法について合意をする手続」と説明しています。裁判所の手続きではないので、すべての借金を一律に並べる決まりがありません。誰と話し合うかは、依頼した弁護士・司法書士と相談して決めることになります。

ここから、住宅ローンを返済中の人の多くがとる形が出てきます。カードローンやクレジットカードの分割・リボの残りだけを話合いの対象にして、住宅ローンの銀行やフラット35は対象に入れない、という形です。住宅ローンの貸し手は話合いの当事者ではないので、契約の中身は変わらず、毎月の返済をこれまでどおり続けます。返済が続いていれば、家に付いている抵当権が動く理由もありません。

ただし、外せば必ず何も起きないとまでは言えません。気をつけたい点が三つあります。

住宅ローンを対象から外すときに確かめること

1. 住宅ローンの契約書の「期限の利益の喪失」の条項。どんなときに残りを一括で返すよう求められるかが書いてあります。ほかの借金の整理がそこに当たる書き方になっていないか、手元の契約書で読んでください。条項の書き方は金融機関ごとに違うので、この記事で一般論として「大丈夫」とは言えません。

2. 整理する相手が、住宅ローンと同じ金融機関かどうか。同じ銀行のカードローンを整理すると、住宅ローンを払っている先そのものが話合いの相手になります。依頼する専門家に、住宅ローンの借入先を必ず伝えてください。

3. 整理後の家計で、住宅ローンを払い続けられるか。任意整理は借金がなくなる手続きではなく、法テラスも「支払をしていくことが必要な債務整理手続」と書いています。住宅ローンと和解後の返済を足した額が、毎月の手取りで回るかが前提です。

なお、任意整理をした借金の記録は信用情報機関に残りますが、それは整理した契約の記録です。住宅ローンを約束どおり払っている限り、住宅ローンの契約の返済状況に遅れが記録される理由はありません。

出典:日本司法支援センター(法テラス)「任意整理とは何ですか。」https://www.houterasu.or.jp/site/faq/syakkin-niniseiri-001.html 。2026年11月8日確認。

住宅ローン返済中に個人再生:家を残す条件は「住宅ローンの側」から見ると厳しい

個人再生は裁判所の手続きなので、任意整理のように住宅ローンだけを外すことはできません。その代わりに法律が用意しているのが住宅資金特別条項です。計画の中身と返済の三本立ては、個人再生中に借りられるかを段階ごとにまとめた記事で扱ったので、ここでは住宅ローンを貸している側の事情から、使えるかどうかの分かれ目だけを条文で並べます。

条文 書かれていること(要約) 住宅ローン返済中の人にとっての意味
196条1号 「住宅」は本人が所有し、自分が住む建物で、床面積の2分の1以上を住まいに使っているもの 貸している家、店舗が大半の建物は対象外になりうる
196条3号 住宅の建設・購入・改良の資金で、分割払いの定めがあり、住宅に抵当権が付いている貸付け 住宅ローン以外の目的の借入れ(家を担保にした事業資金など)は入らない
198条1項ただし書 住宅に住宅ローン以外の担保権が付いていると、特別条項を定められない 消費者金融などが家に抵当権を付けていると、この道が閉じる
198条2項・204条 保証会社が住宅ローンを肩代わりしても、全部を払った日から6か月以内に申し立てれば特別条項を定められ、認可が確定すると肩代わりはなかったものとみなされる 滞納が進んで保証会社が払った後でも、期限内なら戻せる
197条 認可の見込みがあれば、裁判所は抵当権の実行(競売)の中止を命じられる 競売の手続きが始まっていても、止める手段がある
202条2項3号 住宅の所有権などを失うと見込まれるときは、計画を認めない 家を残せない見込みなら、特別条項付きの計画は通らない

住宅ローンの側から見ると、ポイントは二つです。一つは、住宅ローンは減らないこと。199条1項は、認可の確定までに期日が来た分も含めて全額を払う形を基本にしています。もう一つは、滞納の時間との勝負になることです。保証会社が住宅ローンを肩代わりした日から6か月という期限(198条2項)は、数え始めたら止まりません。住宅ローンの督促が保証会社の名前で届き始めたら、その日付を控えて専門家に伝えてください。

出典:民事再生法10条・35条・196条・197条・198条・199条・202条・204条(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 )。2026年11月8日確認。

住宅ローン返済中に自己破産:家が手続きに入り、抵当権は手続きの外で動く

自己破産で家がどうなるかは、破産法の三つの条文をつなげると見えてきます。

まず34条1項は、破産手続開始の時に持っている「一切の財産」を破産財団とすると定めています。持ち家も例外ではありません。次に78条1項で、破産財団の財産を管理し処分する権利は、裁判所が選んだ破産管財人に移ります。本人が自分の判断で家を売ったり、住宅ローンだけ払い続けて残したりすることは、この仕組みの上では予定されていません。

そして住宅ローンの貸し手です。家に抵当権を持つ人は「別除権者」と呼ばれ(2条9項・10項)、65条1項は、別除権は破産手続によらないで行使できると定めています。つまり住宅ローンの銀行や保証会社は、破産の配当を待たずに、抵当権に基づいて家を競売にかけることができます。破産管財人が競売の前に買い手を探して売る場合(任意売却)は、不動産なので裁判所の許可が要ります(78条2項1号)。

段階 家と住宅ローンに起きること 根拠
破産手続開始の決定 家は破産財団に入る 破産法34条1項
管財人の選任後 家を管理し売る権利は破産管財人に移る 破産法78条1項
売却の場面 管財人が任意売却する場合は裁判所の許可が必要。抵当権を持つ貸し手は手続きの外で競売もできる 破産法78条2項1号・65条1項

家族が住み続けたい場合に、親族が家を買い取る形が語られることがありますが、それも破産管財人による売却の一つなので、本人どうしの話だけでは決まらず、78条2項1号の裁判所の許可が要ります。家を残すことを最優先にするなら、破産を決める前に、個人再生の住宅資金特別条項が使えるかを先に検討する順番になります。

出典:破産法2条9項・10項、34条、65条、78条(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075 )。2026年11月8日確認。

これから住宅ローンを組む人へ:審査で見られる記録は、どの機関の、どの期間か

ここからは後半、債務整理のあとで住宅ローンを組みたい人の話です。住宅ローンは金額が大きく期間も長いので、申込みを受けた金融機関は信用情報機関に照会します。確かめた範囲では、フラット35を扱う銀行(ドコモSMTBネット銀行)の同意事項に、その銀行が加盟する機関として全国銀行個人信用情報センターと日本信用情報機構(JICC)が、提携する機関としてシー・アイ・シー(CIC)が書かれていました。そこには、各機関が登録する「破産等の官報情報」を返済能力の判断に使うことへの同意も含まれています。

各機関が公表している登録期間を、債務整理に関わる部分だけ並べます。JICCは契約日が2019年10月1日以降か、それ以前かで数え方が違うので、両方を載せます。

機関 債務整理に関わる記録 公表されている登録期間
全国銀行個人信用情報センター 官報情報(破産手続開始決定等) 破産手続開始決定等を受けた日から7年を超えない期間
全国銀行個人信用情報センター 取引情報(契約の内容と返済状況) 契約期間中および契約終了日(完済していない場合は完済日)から5年を超えない期間
CIC クレジット情報(異動=延滞・保証履行・破産の有無などを含む) 契約期間中および契約終了後5年間
JICC(契約日2019年10月1日以降) 取引事実に関する情報(債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立など) 契約継続中及び契約終了後5年以内
JICC(契約日2019年9月30日以前) 同上 当該事実の発生日から5年を超えない期間
3機関の申込みの記録 申し込んだ事実 CIC・JICCは6か月、全銀協は利用日から1年を超えない期間

この表から分かるのは、同じ「任意整理」でも、数え始めの日が機関と契約日で違うことです。2019年10月1日以降の契約を任意整理した場合、JICCは和解後の返済を終えて契約が終わってから5年を数えます。2019年9月30日以前の契約なら、債務整理という事実の発生日から5年です。和解の返済に3年かかった人だと、前者は整理からおよそ8年、後者はおよそ5年という差になります。

全銀協の官報情報について一点。公式の表は「破産手続開始決定等」と書くだけで、個人再生の再生手続開始決定がこの「等」に入るかを列挙していません。再生手続開始の決定は裁判所が公告し(民事再生法35条)、公告は官報に載せる決まりです(同法10条1項)。そのため、個人再生をした人は7年の側に入る前提で予定を立て、実際の記録は開示で確かめるのが安全です。

出典:全国銀行協会「全国銀行個人信用情報センターにおける個人情報の取扱いについて」https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/privacy/ /CIC「CICが保有する信用情報」https://www.cic.co.jp/confidence/posession.html /JICC「信用情報の内容と登録期間」https://www.jicc.co.jp/aboutus/credit-info/registration /ドコモSMTBネット銀行「フラット35個人情報の取扱いに関する同意事項」https://www.netbk.co.jp/contents/lineup/home-loan/flat35/agree.html 。いずれも2026年11月8日確認。

手続きごとに、住宅ローンを申し込める目安の年を数える

上の登録期間を、三つの手続きに当てはめて「どの記録が最後まで残るか」を数えます。住宅ローンの申込みでは全銀協の記録も見られるので、どれか一つが消えただけでは足りません。いちばん遅く消える記録が、申込みを考えはじめる目安になります。ここでは、整理した借金の契約日が2019年10月1日以降の場合で数えます。それ以前の契約の数え方や、カードローン・クレジットカードについての順序は、債務整理後にいつから借りられるかを機関ごとに数えた記事に書きました。

手続き いちばん遅く消えやすい記録 数え方の例 申込みを考えはじめる目安
任意整理(和解後3年で返済) CIC・JICCの、整理した契約の記録 2026年11月に和解 → 2029年11月に返済終了 → そこから5年 2034年11月ごろ以降
自己破産(開始決定2026年11月) 全銀協の官報情報 開始決定の日から7年を超えない期間 2033年11月ごろ以降
個人再生(開始決定2026年11月・計画3年) 全銀協の官報情報(「等」に入る前提)、計画の返済を終えた後のCIC・JICCの記録 官報は7年。認可の確定から3年の返済を終えるのが2030年ごろとすると、そこから5年で2035年ごろ 2035年ごろ以降

個人再生の行は、再生計画で払った借金の契約がいつ「終了」と記録されるかで変わります。どの日付で記録が閉じられたかは本人にしか確かめられないので、目安の年が近づいたら、3機関すべてに開示を申し込んで、整理した契約の記録が残っていないかを見てください。

任意整理の行で気をつけたいのは、「整理してから5年」と覚えていると早すぎる申込みになりやすいことです。2019年10月1日以降の契約では、CICもJICCも、和解した借金を払い終えて契約が終わってから5年を数えます。和解の返済中は、記録が消える時計がまだ動き出していない、と考えてください。

フラット35の公式の申込み条件:記録のほかに、年齢と返済負担率で上限が決まる

住宅金融支援機構は、フラット35の利用条件(2026年4月1日現在)を公開しています。信用情報についての書き方はありませんが、債務整理を経た人に関わる数字がいくつも入っています。

項目 公式に書かれた条件
申込時の年齢 満70歳未満(親子リレー返済を使う場合は70歳以上も可)
総返済負担率 年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下
負担率に入る借入れ フラット35のほか、ほかの住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、カードローン(クレジットカードのキャッシング、分割払い・リボ払いによる購入を含む)など。収入合算者の分も含む
借入期間 15年(本人か連帯債務者が満60歳以上なら10年)以上で、「80歳−申込時の年齢(1年未満切上げ)」と35年の短いほうが上限
保証人 必要ありません
審査結果 申込みから1〜2週間程度で取扱金融機関から連絡。物件検査に合格しても、取扱金融機関または住宅金融支援機構の審査の結果によっては希望に沿えない場合がある

この中で、債務整理をした人に効いてくるのは二つです。

一つめは年齢。記録が消えるまで5年から7年待つと、その分だけ借入期間の上限が短くなります。自己破産の開始決定を受けた年齢ごとに、7年後に申し込んだ場合の上限を計算しました。

開始決定を受けた年齢 7年後の申込時の年齢 80歳−申込時の年齢 借入期間の上限
30歳 37歳 43年 35年
40歳 47歳 33年 33年
45歳 52歳 28年 28年
50歳 57歳 23年 23年
55歳 62歳 18年 18年(下限は10年)

期間が短くなれば、同じ金額を借りても毎月の返済は増えます。待つ間に頭金を貯めることが、ここで効いてきます。

二つめは総返済負担率。公式の説明は「すべての借入れ」の年間返済額を年収で割る形で、カードローンや分割・リボまで含めると書いています。任意整理の和解後の返済が残っている間は、それも年間の返済額に入る借入れとして扱われると考えて計算しておくのが無難です。年収ごとに、住宅ローンを含むすべての返済に使える月額の上限を出すと次のとおりです。

年収 基準 年間の返済額の上限 月あたり ほかの返済が月2万円ある場合に住宅ローンへ回せる月額
350万円 30%以下 105万円 87,500円 67,500円
450万円 35%以下 157.5万円 131,250円 111,250円
600万円 35%以下 210万円 175,000円 155,000円

この計算は、記録が消えた後の話です。記録が残っている間は、負担率の基準を満たしていても審査の結果がどうなるかは別の問題になります。また、フラット35の申込みでは「今回の住宅取得以外の借入内容に関する申出書(兼 既融資完済に関する念書)」を出すことが共通の書類として書かれています。ほかの借入れを書かずに出すことはできない作りです。

出典:住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35/conditions/index.html (2026年4月1日現在の条件)/同「【フラット35】融資手続・必要書類(住宅を建設する場合の手続)」https://www.flat35.com/loan/lineup/flat35/flow_kensetsu.html 。いずれも2026年11月8日確認。計算はこの記事で行ったもの。

銀行の住宅ローンの公式の申込み条件で、確かめておくこと

銀行の住宅ローンの申込み条件は、商品説明書に書かれています。確かめた範囲で、三菱UFJ銀行の「住宅ローン」の商品説明書(2026年10月1日現在)には、次の条件がありました。

年齢が借入時に18歳以上70歳の誕生日まで、完済時に80歳の誕生日までの方/団体信用生命保険にご加入が認められる方/日本国籍の方、または永住許可を受けている外国籍の方

借入金額は500万円以上3億円以内で、「返済計画に無理のないよう年収による制限があります」とも書かれています。借入期間は2年以上40年以内、保証料は不要とされています。信用情報や過去の債務整理についての記載はありません。審査の基準は公表されていないので、この条件を満たせば借りられるという読み方はできません。

この説明書から読み取れるのは、銀行の住宅ローンにも、フラット35と同じく年齢の上限と年収による制限があることです。そして、団体信用生命保険への加入が条件になっています。フラット35は団体信用生命保険に入らなくても利用できると公式に書かれているので、健康上の理由で団信に入れない人は、この違いも比べることになります。

債務整理をした人が銀行を選ぶときに、もう一つ確かめておきたいのは、その銀行が全国銀行個人信用情報センターの会員かどうかです。会員の一覧の見方は自己破産のあとクレジットカードをいつ申し込めるかの記事で説明しました。全銀協は、全国銀行協会の正会員を一般会員の加盟資格としているので、銀行の住宅ローンを考えるときは、官報情報の7年を基本の物差しにしておくのが無難です。

出典:三菱UFJ銀行「住宅ローン」商品説明書(2026年10月1日現在)https://www.bk.mufg.jp/kariru/jutaku/shouhin/jloan/pdf/jl_setsumei_02.pdf /住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」。いずれも2026年11月8日確認。

「債務整理後に住宅ローンが通った」という書き込みの読み方

検索候補に「通った」が出るのは、同じ立場の人の体験を探す人が多いからでしょう。知恵袋や掲示板には「任意整理から○年で通った」「破産しても住宅ローンが組めた」という書き込みがあります。ただ、その人が本当に通ったのか、どんな記録が残っていたのかは、外からは確かめようがありません。読むときは、次の四つが書かれているかを見てください。

書き込みに書かれているか なぜ必要か
手続きの種類(任意整理・個人再生・自己破産) 官報情報が残るかどうかで、全銀協の7年が関係するかが決まる
整理した契約の日付と、返済を終えた日 CIC・JICCは契約終了から5年、JICCは2019年9月30日以前の契約だと事実の発生日から5年で、数え始めが違う
申し込んだ先が全銀協の会員か、どの機関に照会する先か どの記録を見られたかが変わる
申込みの前に開示で記録を確かめたか 「記録が消えていたから通った」のか「残っていても通った」のかが分からない

多くの書き込みは、このうち一つか二つしか書いていません。「整理から5年で通った」という書き込みも、その人の記録が5年で消える条件にあっただけかもしれません。自分の条件と同じかを確かめられない体験談を、自分の申込みの時期の根拠にしないほうが安全です。自分について確かめられるのは、3機関の開示だけです。

もう一つ、「どこの銀行なら通る」という形の情報にも同じことが言えます。確かめた三菱UFJ銀行の商品説明書にも、フラット35の利用条件にも、審査の基準は書かれていませんでした。どの銀行が通りやすいという言い方を、この記事ではしません。

申込みの前に、記録と家計の両方をそろえる

住宅ローンは、一度断られると申込みの記録が残ります。CICとJICCは6か月、全銀協は1年を超えない期間です。短い間に何行にも申し込むと、その記録が並ぶことになります。記録が消えた時期を開示で確かめてから、一行ずつ申し込むのが基本の順番です。

開示で見るところは、整理した契約がまだ載っていないか、載っていればどんな状態で、いつ終了と記録されているかです。全銀協については官報情報の欄が空いているかを見ます。夫婦で収入を合算する場合、フラット35の総返済負担率には収入合算者の借入れも入るので、合算する人の記録と返済の状況も同じように確かめておく必要があります。

そのうえで、頭金と、ほかの借入れのない家計を作っておきます。フラット35の総返済負担率はカードローンやリボまで数えるので、記録が消えた後に新しくカードの分割払いを始めると、それだけで住宅ローンに回せる枠が減ります。

住宅ローンを払いながら債務整理を考えている人は、まず手続きを選ぶ段階で家の扱いが決まります。任意整理なら住宅ローンの貸し手を相手に入れないこと、個人再生なら住宅資金特別条項の条件(家にほかの担保が付いていないか、保証会社が肩代わりしてから6か月以内か)、自己破産なら家は処分の対象になることを、相談する専門家に最初に伝えてください。

これから組みたい人は、「何年たったか」ではなく、全銀協・CIC・JICCの三つの記録がいつ消えるかを、自分の日付で数えてください。数えた年が来たら開示で確かめ、フラット35や銀行の公式の条件(年齢・返済負担率・団信)に自分の数字を当てはめる。その順番を守れば、確かめようのない体験談に頼らずに申込みの時期を決められます。

よく検索される質問

債務整理をしても住宅ローンは組めますか?

法律や公式の申込み条件に「債務整理をした人は申し込めない」という書き方は、確かめた範囲ではありません。ただ、審査では信用情報機関の記録が見られます。全銀協の官報情報は7年を超えない期間、CIC・JICCの記録は原則として契約終了から5年残るので、それが消えるのを待ってから申し込むのが現実的な順番です。

住宅ローン返済中に任意整理をすると、家はどうなりますか?

任意整理は裁判所を通さない話合いなので、住宅ローンの貸し手を話合いの相手に入れなければ、住宅ローンの契約はそのまま続き、払い続ける限り家は残ります。ただし、住宅ローンと同じ金融機関の借金を整理する場合や、住宅ローンの契約書の期限の利益の喪失の条項については、依頼する専門家と確かめてください。

債務整理の何年後から住宅ローンを申し込めますか?

任意整理は、整理した借金を払い終えて契約が終わってから5年(2019年10月1日以降の契約の場合)、自己破産は全銀協の官報情報が消える開始決定から7年が一つの目安です。正確な日は、CIC・JICC・全銀協に開示を申し込んで確かめられます。

配偶者が債務整理をしていても、ペアローンや収入合算はできますか?

信用情報は一人ひとりに登録されます。ただし、ペアローンでは配偶者も借りる人になり、フラット35の収入合算では収入合算者の借入れも総返済負担率に入ります。配偶者の記録と返済の状況も、本人と同じように確かめる必要があります。

住宅ローンの審査に落ちたら、すぐ別の銀行に申し込んでいいですか?

申込みの記録はCIC・JICCに6か月、全銀協に1年を超えない期間残ります。落ちた理由が信用情報の記録にあるなら、すぐに別の銀行に申し込んでも同じ記録が見られます。開示で記録を確かめてから次の申込みを考えてください。